【早期退職を伝えたときの周りの反応⑤】 面談者

早期退職

40代前半で長年勤めてきた会社を早期退職する決断を下した私。上司との面談を通じて感じたこと、そして心に残ったやり取りを振り返ってみたいと思います。退職の決意は揺るがないものでしたが、上司の涙や言葉、そして他の退職者との話から見えてきた「マニュアル対応」と思われる一面など、思いがけない経験もありました。退職という大きな決断の裏側で感じた上司との関係や、自分自身の気持ちについて記します。

早期退職の面談を振り返って

私は40代前半で、長年勤めてきた会社の特別希望退職者制度を利用して早期退職を決意しました。この決断に至るまで、何度か面談者(上司)との面談を行い、その中で感じたことをここに記してみたいと思います。

初回の面談

最初の面談は、今回の特別希望退職者制度の概要や今後の部署の方向性についての説明が主でした。上司からは、制度の具体的な内容や、退職後の支援制度について詳細に話がありました。そして、私が所属する部署の今後の動向や、組織全体としての戦略も伝えられましたが、正直なところ、この時点で私の気持ちはすでに固まっていました。会社の変化や将来の計画よりも、自分自身のライフスタイルや新たな挑戦に意識が向いていたのです。

2回目の面談 〜 上司の涙

2回目の面談では、私はついに自分の決意を上司に伝えました。早期退職を希望することを伝え、退職届を提出しようとしました。その瞬間、上司は意外にも涙ながらに「一緒に乗り越えて、これからも仕事をしていきたい」と言葉を絞り出し、もう一週だけ考えてほしいと訴えてきたのです。

面談者は直属の上長ではなかったため、直接的な仕事の付き合いは少なく、信頼関係が強いわけではなかったのですが、15年以上の付き合いがあり、心の中で「嫌いではない」という感情はありました。しかし、彼の涙を見るとは全く予想していませんでした。もしかすると、これも特別希望退職者制度の面談者なりの「マニュアル対応」なのではないかと、少し冷静に受け止めていた部分もありました。

金銭面のアドバイスと自身の決断

面談の中では、上司から「気持ちが仕事に向かなくなったとしても、金銭面のために仕事を続ける選択も間違いではない」という言葉をもらいました。子供が大きくなると塾代などお金がかかるという、上司自身の経験に基づいたアドバイスもありました。確かに、金銭的な不安は退職を考える上での大きな要素です。しかし、私の場合、それ以上に「新しい人生を歩みたい」という思いが強かったため、その言葉は一旦受け止めながらも、自分の意志を貫くことにしました。

他の対象者との話

後日、他の退職対象者と話をしたところ、なんと皆同じような経験をしていたことが分かりました。2回目の面談で上司が涙を浮かべ、「もう一週考えてほしい」と言われたというのです。これを聞いた時、私は少し冷めた気持ちになりました。「ああ、やっぱりマニュアル通りの対応なんだな」と。しかし、同時に、上司もこうした感情を込めたやり取りを複数回しなければならないことを考えると、非常に大変な仕事をしているのだなとも感じました

3回目の面談 〜 退職届の提出

最終的に、3回目の面談で私は再度決意を伝え、正式に退職届を提出しました。上司はこれを受け取り、特に抵抗することなく事務的に手続きを進めました。この時には、私も上司もある種の「決着」がついたように感じました。


上司との関係を振り返って

面談者である上司とは、15年以上の会社でのつながりがありましたが、直接一緒に仕事をすることはほとんどありませんでした。嫌いなわけではなく、むしろ普通の関係でしたが、特別に信頼を寄せるような相手ではありませんでした。そのため、上司の涙や言葉を深く心に刻むということもなく、比較的冷静に面談を進めていけたのだと思います。かえって自身の思いを伝えるのにはとてもいい面談者であったと感じています。


退職の決断は、簡単ではありませんでしたが、自分自身の新しい挑戦を見据えてのものです。振り返ってみると、面談のプロセス自体はマニュアル的だったかもしれませんが、それでも上司なりの思いやりを感じることができました。会社との長い関係に感謝しながら、新しい一歩を踏み出す時が来たと実感しています。

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